あらすじ
一
蔡瑁(さいぼう)と張允(ちょういん)は曹操の前で、数え切れないほど何度も頭を下げ、陳謝した。
曹操は二人の責めを問わず、軍の再整備を命じた。
これは、曹操自身が水上戦に自信がないからだ。
夜になると、北岸の天が真っ赤に見えた。
曹操が建設させた要塞だという。
ある夜、周瑜は魯粛・黄蓋(こうがい)らを連れて、船で要塞の偵察にでた。
二
周瑜は魏の要塞を見て、その巨大さに驚いた。
荊州にいた大将、蔡瑁と張允が指揮していることを、魯粛から聞いた周瑜は「二人の命を奪わないと安心できないぞ」と言った。
魏の監視船は周瑜の船を見つけ、追いかけたが、逃げられてしまった。
曹操は「このままでは呉を破ることはできないぞ」と嘆いた。
曹操の幕賓であり、周瑜とは旧友である蒋幹(しょうかん)が「周瑜を味方に加えてみせます」と申し出て、向かった。
三
周瑜は蒋幹(しょうかん)を盛大に歓迎した。
四
大いに酒に酔った周瑜は、蒋幹(しょうかん)をつれて、寝床へ転がり込んだ。
周瑜はいびきをかき、目を覚ます気配はない。
蒋幹(しょうかん)は卓上にある張允(ちょういん)の書簡を見つけた。
その書簡は周瑜と内通している内容であった。
しばらくすると、大将らしい者が周瑜を起こし、帳の外で立ち話をした。張允とか、蔡瑁とかいう名が会話のうちに聞こえてきた。
五
北国なまりの声も聞こえてきた。
蒋幹は何かの企みを感じとったようだ。いよいよ聞き耳をそばだてた。
話しが終わった周瑜は、ふたたび寝床へ戻り、眠った。
外が明るくなりかけると、蒋幹(しょうかん)は厠へ立つふりをして、陣の外へ出て、江岸の小舟へ飛び乗った。
蒋幹(しょうかん)は曹操に、ある書簡を差し出した。
曹操は激怒した。蔡瑁と張允を呼びつけ、二人の首を斬った。