吉川三国志

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凛々細腰の剣(りんりんさいようのけん) 望蜀の巻

内容 呉(ご)から脱出した劉備(りゅうび)と夫人は柴桑(さいそう)へ向かっていた。↓この先の要所には、徐盛(じょせい)と丁奉(ていほう)が道をふさいでいるという。趙雲(ちょううん)は諸葛亮(しょかつりょう)からの嚢(ふくろ)を開き、劉備の耳...
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朝の月(あさのつき) 望蜀の巻

内容 劉備(りゅうび)と呉妹(ごまい)との婚儀が行われる。↓柴桑(さいそう)で療養している周瑜(しゅうゆ)から今後の方策が書かれた書が、孫権に届く。↓呉の東府に築かれた一楽園で、劉備は贅沢三昧に過ごす。↓劉備の姿に嘆く趙雲は、諸葛亮に渡され...
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鴛鴦陣(えんおうじん) 望蜀の巻

内容 劉備(りゅうび)から呉妹君(ごまいくん)と結婚することを聞いた喬国老(きょうこくろう)は、家族たちに劉備らを歓待させ、自身は呉夫人のもとへ急ぐ。↓喬国老は呉夫人に慶びをのべるが、呉夫人は信じない。↓呉夫人は家士のひとりに城下の様子を探...
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柳眉剣簪(りゅうびけんさん) 望蜀の巻

内容 襄陽(じょうよう)城中で、故劉表(りゅうひょう)の嫡子劉琦(りゅうき)が亡くなる。↓二十日ばかりがたった日。孫権(そんけん)の名代として魯粛(ろしゅく)が劉備を訪ねる。↓孫権からの礼物を供え、悔やみを述べた魯粛は、酒宴に迎えられる。↓...
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針鼠(はりねずみ) 望蜀の巻

内容 荊州(けいしゅう)南四郡を治めた劉備(りゅうび)は、荊州(けいしゅう)へ引き揚げる。↓次の日の早朝。孫権は宋謙(そうけん)、程普(ていふ)らを率いて合淝(がっぴ)の城を突撃。↓合淝の城からは張遼(ちょうりょう)、李典(りてん)、楽進(...
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黄忠の矢(こうちゅうのや) 望蜀の巻

内容 劉備(りゅうび)配下の張飛(ちょうひ)は兵三千を率い、武陵(ぶりょう)へ向かう。↓武陵城将の鞏志(きょうし)は、張飛に降伏することを太守金旋(きんせん)に勧める。↓金旋は鞏志を斬ろうとするが、周りが諫めたため、命だけは許し、自身は城を...
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白羽扇(びゃくうせん) 望蜀の巻

内容 劉備(りゅうび)は、襄陽(じょうよう)で才名高いといわれている馬良(ばりょう)を城に呼び、この先の計を求める。↓建安(けんあん)十三年冬。劉備は兵一万五千を率いて、荊州(けいしゅう)南四郡へ向かう。↓零陵(れいりょう)に、劉備軍が来る...
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一掴三城(いっかくさんじょう) 望蜀の巻

内容 周瑜(しゅうゆ)は兵三千騎を率いて、油江口(ゆこうこう)の岸へ上陸。↓酒宴の席で、周瑜が南郡(なんぐん)を奪えなければ、劉備(りゅうび)が奪うことに決まる。↓周瑜は兵五千で魏軍曹仁(そうじん)が守る南郡の城を攻める。↓南郡の城を守る曹...
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功なき関羽(こうなきかんう) 望蜀の巻

内容 曹操(そうそう)は華容(かよう)山麓から峰越えの道を進む。↓ゆうべの大雨で崖はくずれ、馬が通ることもできない。↓曹操は山林を切って橋を架け、道を作って進む。↓峠を越えて六里ほど進んだ頃。曹操は「人煙をあげて騙すような浅い計」と笑い出す...
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山谷笑う(さんこくわらう) 望蜀の巻

内容 呉(ご)軍の火計により、魏(ぎ)軍八十余万は三分の一以下になる。↓呉軍韓当(かんとう)は熊手で、肩に矢が刺さている黄蓋(こうがい)を波間から引き上げる。↓呉軍大将のひとりは、蔡仲(さいちゅう)を斬り、その首を槍のさきに刺して駈け歩く。...
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赤壁の大襲撃(せきへきのだいしゅうげき) 望蜀の巻

内容 夜の初更(しょこう)の頃。蔡和(さいか)の首を軍神へ供えた後、呉(ご)軍周瑜(しゅうゆ)は、最後の水軍に出航を命じる。↓「青龍の牙旗を立てている船隊が向かってきます」と魏(ぎ)の番兵は叫ぶ。↓魏軍程昱(ていいく)は「兵糧武具を満載した...
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降参船(こうさんぶね) 望蜀の巻

内容 呉(ご)軍周瑜(しゅうゆ)は、甘寧(かんねい)、太史慈(たいしじ)、呂蒙(りょもう)、凌統(りょうとう)、董襲(とうしゅう)、潘璋(はんしょう)へ軍令を授け、各方面へ向かわせる。↓蔡仲(さいちゅう)は案内者として甘寧の船に乗る。↓呉軍...
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南風北春(なんぷうほくしゅん) 赤壁の巻

内容 諸葛亮(しょかつりょう)を乗せた船は、夏口(かこう)へ向かう。↓呉(ご)の徐盛(じょせい)の船は諸葛亮の船を追う。↓同船していた趙雲(ちょううん)は徐盛の船に矢を放つ。↓矢は船の帆の親綱を射たため、船は横転する。↓周瑜(しゅうゆ)は激...
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孔明・風を祈る(こうめい・かぜをいのる) 赤壁の巻

内容 竜巻によって二つに折れた旗竿の下に周瑜(しゅうゆ)は下敷きになった。↓魯粛(ろしゅく)は諸葛亮(しょかつりょう)のいる船へ急ぎ、二人で周瑜を見舞った。↓諸葛亮は「あなたは体の病ではなく、心の病です」と言い、周りの人達を退けた。↓諸葛亮...
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鉄鎖の陣(てっさのじん) 赤壁の巻

内容 魏(ぎ)の水軍総大将毛玠(もうかい)と于禁(うきん)は曹操(そうそう)に、兵船を鎖でつなぎ終わったことを報告した。即日。曹操はこの大艦隊を呉(ご)へ向けたが、この日は風浪が激しく、烏林(うりん)の湾口(わんこう)に大艦隊をおいた。↓「...
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月烏賦(つきよがらすのうた) 赤壁の巻

内容 西涼(せいりょう)の馬超(ばちょう)と韓遂(かんすい)の軍が許都(きょと)へ向かっているとの知らせが曹操(そうそう)のもとに届く。「誰か予に代って、許都へ帰り、守る者はないか」と曹操は群臣に言った。皆が黙っていたところ、徐庶(じょしょ...
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竹冠の友(ちくかんのとも) 赤壁の巻

内容 龐統ほうとうは呉ごへ向かった。曹操そうそうに降伏するよう呉の大将らを説得するためである。↓龐統は江岸へ出て小舟に乗ろうとしたとき、柳の陰から走り出した男が「曲者くせもの、待て」と、うしろから龐統に抱きついた。その男は「丞相(曹操)に連...
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鳳雛・巣を出ず(ほうすう・すをいず) 赤壁の巻

内容 曹操そうそうは群臣をあつめて、蔡和さいかと蔡仲さいちゅうや闞沢かんたくからきた書簡の内容を評議にかけた。蒋幹しょうかんは「呉ごへ渡り、真実か否かを確かめて参ります」と言った。↓蒋幹は呉へ上陸したが、呉の中軍では龐統ほうとうが周瑜しゅう...
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裏の裏(うらのうら) 赤壁の巻

内容 曹操(そうそう)の面前には、黄蓋(こうがい)の使いである闞沢(かんたく)がいた。侍臣が持ってきた蔡和(さいか)と蔡仲(さいちゅう)からの書状を卓の陰で読み終えた曹操は、「予は一点の疑いも抱いておらん」とへ言い、闞沢の申し出を受け入れた...
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一竿翁(いっかんおう) 赤壁の巻

内容 百杖(ひゃくじょう)の刑を受けた黄蓋(こうがい)は、陣中の寝所に横たわったまま、うめいていた。日ごろ親しい闞沢(かんたく)が見舞いに来ると、見舞いに来た他の人々を退けて、黄蓋は身を起した。闞沢は「黄蓋将軍が百杖の刑を受けられたのは苦肉...